ネガティブな出来事から受け取るもの。弟がお店を閉めました。
こんばんは!
溝端マリです。
今日は、6月4日にお届けしたニュースレターに
弟の言葉を追記してお届けします。
ーー ここから6月4日のニュースレター ーー
「起きる出来事に意味はない」
とは言われますが
本当にその通りで
良いも悪いもありません。
一見、ネガティブに見える出来事が起きたとき
それをどう受け止めるか
そこから何を受け取るか?は
自分次第ですよね^^
出来事が大きいほど
大きく成長するチャンスだと信じています。
・
わたしの弟が、今年4月に
自分が経営するお店を閉めました。
わたしには、ふたつ下に弟がいて
来月38歳になります。
その下に、妹が4人いるので
6人兄弟ってことです。
子供の頃から妹思いの優しい子です。
(子じゃないけど!)
弟は高校生の頃に
地元の精肉店でアルバイトをしていました。
就職は全く違う
仕事についていたので
20代はそちらに
専念していたのですけどね。
精肉店が新店オープンに向けて
店長を探していると聞いて
20代後半、
努めていた会社を退社し
地元の小さなショッピングモールに
お店を構える
精肉店の店長になりました。
20代のうちに
スタートしたかったそう。
弟はすでに最初の奥さんと結婚して
家も建てていました。
一人目の子供もいました。
数年後、その精肉店を買い取り
店名を「○○屋」と
自分の苗字をつけました。
自分がオーナーになったわけです。
姉としては色々心配で
弟は、数字に全く強くないし
見た目はちょっとチャラい、笑
(言葉がバカっぽくてすみません)
でも、本人がチャレンジするんだから
応援していたつもり!
そこそこ良いお肉を
安く仕入れることができたので
近隣のお客さんからは
喜ばれたと思うのですが
開店当時、お客さんの賑わいを横目に
近隣の同業者からは
ずいぶんと嫌がらせもあったそう。
アルバイトの人に
お店のお金を持って
行かれたこともあったとか。
でもね、
販売する唐揚げなどの肉惣菜を
色々アレンジするのも楽しそうだったし
つくったお惣菜を母や妹に振舞ったり
当時、保育園に通う娘が
ときどき店頭に立って
お客さんから可愛がられている
などの話しも聞きました。
経営が傾き始めたら
今度は人件費をけずり
自分はどんどんハードワークに。
早朝の仕入れから深夜まで働きづめで
奥さんとは会話する時間がなくなり
家もお店も、火の車!
お店の状況がよくわからない上に
支払いに追われる奥さんは、
大きな不安から
とうとう、うつ状態になり
それを見た奥さんのご両親が激怒し
お店を閉めるか、離婚するかの二択を
弟に迫りました。
ショッピングモールに店舗を構えていると
すぐにお店を閉められないし
何より、赤字経営だと
見切りをつけるタイミングに
迷うのでしょう。
お店を閉めたら、残った借り入れを
丸ごと背負うことになりますね。
弟は離婚して
小さな子供達とも
別々の暮らしになりました。
でも嫌いで別れたわけではないんです。
その後、弟は
頚椎ヘルニアをわずらい
立っていられないくらいひどくなり
何度か入退院を繰り返しました。
入院中も
「仕入れと、肉の裁断だけは
自分がせんとあかん!」
と言って、動かない体で這うように
病院を抜け出していました。
定休日以外に一日でもお店を閉めたら
家賃分の赤字が増えるって・・
月々の家賃が○十万円、
ちょっとびっくりな価格でした。
見かねた母が
病院で首を固定されている弟に
「お店を辞めたら」
と言ったんですけどね、
「いま辞めたら、借金が残る」
と言い放ち、
借り入れの残を聞いたそうですが
弟が答えることはありませんでした。
・
あのお店、かれこれ9年、
よく続いたと思います。
よく頑張ったし
辞める決断をしたことを
褒めてやりたいと思います。
体を壊した入院中もそのあとも
弟には何度も
「(あなたは)どうしたいの?」
「何を守ろうとしているの?」
って聞いたけど
答えは返って来ず・・
立ち止まる余裕もなかったのでしょうね。
「始めるよりも、辞める方が難しい」
「辞めどきを見極めることが重要だよ」
とは、先輩経営者さんから伺いますが
弟にとっての辞めどきが
「今」だったというわけ。
そして
「自分で納得いくまで仕事ができた」んですって。
それを聞いたら
なんだかホッとしちゃった。
自分が育てたお店。
お店への強い愛着が
いつしか執着に変わって
いたのかもしれません。
正解も不正解もないし
起きる出来事に
良いも悪いもありません。
一見、ネガティブに見える出来事が起こると
無くしたものばかりが大きく感じますよね。
でもそれ以上に受け取るものが
必ずあるはず。
その受け取ったもの、
今はほんの少しに感じるかもしれないけど
立ち止まる時間ができた「今」、
振り返って
「受け取ったものは何か?」に
目を向けてほしいなと切実に願います。
口うるさく言わずに、
弟を信じる以外に
できることはないのですけどね。
お店の残りの借り入れもまだあるし
家のローンだってあります。
離れて暮らす子供達の成長も
楽しみにしていると思います。
・・・そのお金、大丈夫!?と
言いたくなりますが
弟が20代の時に勤めていた
会社の上司に状況を話したら
また雇ってもらえることになったそうです。
借りたお金はぼちぼち返すのでしょう。
「動いていたら、お金は必ずまわるのよ」
とは、わたしの母の言葉です。
経験とは宝。
無くしたもの以上に
受け取ったものの大きさに気づけたとき
弟はまた、事業を始める気がします。
あぁ、また心配。笑
ーー ここまでが6月4日のニュースレター ーー
弟に質問しても
ひとこと・ふたことの返事しかないので
真面目にメールで質問してみました。
「お店を9年やってみて、よかったことは何?」
自分の事業のために、教えて欲しい、って。
以下、弟の回答です。
雇われでは勉強出来ないことが学べたかな。従業員を雇用する大変さ。人がお金を生むこと。だから、従業員は会社の財産と言うのはホントやと思う。そして、一生懸命すればお金は後から着いてくる。去年も、ダメやと言いながら年商3200万。ピーク時で年商5800万。俺のダメな所は、いっぱいお金を使ったこと。そして、身体を壊してしまったこと。だから、5年では無く10年後の自分の為に年報を作ることやね!ビジョンをしっかり描いて行く事。今の会社(営業)でも、新人だけど初月で他のスタッフに後少しで追いつくくらいの販売数でした。
今月は、今のところトップです(笑)ふんぞり返るのが経営者ではないく常に先陣を切り、人の10倍の苦労を背負いスタッフを信じて仕事をする事。そして、謙虚でいること。俺は、経営でこの事が大事だと思う。
自分以外の経営者から学びたければ、桁違いのビジネスをしている人と会うことも大事やね。でも、みんな同じ事を言うてた。一生懸命に自分の描いたビジネスを最後まで追求してきて…ふと、気がつけば会社がよく儲かってたと。
俺はまたゼロからのスタートをきったから、次は年商1億のビジネスを2年で考えます(笑)
最後の一文に、ツッコミを入れそうになりました。笑
血のにじむような9年間。
命を削るような働き方はして欲しくないのが
姉としての本音ですが
黙って見守ることにします。
そして、弟が本当に困った時、
力になれる存在でありたいと思います。
溝端マリ 6月7日