ネガティブな出来事が、何か尾を引いて、わたしに連鎖を起こしている。
それがもし、苦しかった過去や辛かった出来事が、自分の中の心の傷になっているようなら、それ、過去の記憶に戻って、過去の自分を癒してあげてほしい。

２０代の時に気づいて、どうにかここから抜けたくて、失敗を繰り返してきた、わたしの体験です。

ネガティブな出来事や、自分が望んでいない人間関係を繰り返してしまう方、
また、〈辛かった子ども時代のわたし〉を抱えたあなたへ。

 

 

 

オンラン教材９６万円「手に職をつけたくて」

２２か２３歳のときに、WEBデザインが学べるオンライン教材を購入しました。
当時はまだ、インターネット回線も光回線じゃなくて、つないだ時間分の通信費がかかる時代。

６０数万円の教材で、当時の最高金利２８%の消費者金融のローン明細には、９６万円？とか書いてあった記憶が。
それをね、月々１万円くらいずつ返しました！貯金なんて全然ありませんでしたから！
給与は手取り１５万程度。一人暮らしで生活費はカツカツなのに、そのオンライン教材の会社が仕事の斡旋までしてくれると聞いたので、稼ぎながら返せるのかなという安易な考えで、本気にしてしまって。笑　でもWEBはこれからもっと発展すると思ったし、WEBデザインの仕事はとっても魅力的に思えて。なにより自分の力で稼ぎたかった！そう、一番の魅力は手に職をつけて稼ぎたかったんです！

購入のときの話では、試験を受けて合格したら仕事の斡旋もする、ということだったんですね。が！何度試験を受けても合格せず、、、あきらめて数年経った頃、この会社に問い合わせようと思ったら、、、なんと！会社が存在していませんでした！

長女のわたしは、この事実を恥ずかしいことと思って、親にも相談しませんでした。
結局そこからは何も実らず。だからいわゆる「事故投資」、、いや「詐欺」だったかも！笑

当時の生活は経済的にカツカツなのに、教材のための多額のローンを抱えってわけね。趣味に当てるお金なんてなかったけど習い事にもお金が必要で、会社に行きながら５年くらいアルバイトしてました。飲食店で時給720円とか。月にして３万円にもなりませんよ。笑　でも、まかない付きだったし、これはこれで楽しかった！

仕事帰りのバスに乗る１５分くらいの間に居眠りして、降り過ごすこと多々。体力的には、キツかったのかな。

 

 

お金を貸した二人の彼氏

時をさかのぼって、２０歳過ぎたくらいに、お付き合いしていた男性にお金を貸して、そして消えられました。
金額にすると２０数万円で、当時のわたしの「全財産」を渡してるんですね。３０代のこの彼氏、何か資格をとるとか言ってたから貸したんです。将来、その資格が身を結ぶのかなって。でも、その後お別れしたというか、消えられたというか・・

で！これを、どういうことか、続けて２回やっている！
その１年後くらいに別の３０代男性に２０数万円。この時もわたしの「全財産」。「全財産」です！結局、この彼は県外へ引っ越して行方わからず。借りたお金は返すってずっと言ってたけど、、、手切れ金ということで、わたしも放置です。

なんで２回続けてやるかなー、わたし！と思ったけど、本気で好きな人だったから、その当時は、相手に尽くしてるわたしに酔っていたかも。
こうやって書き出すと、わたしめっちゃイタイ人やん！笑

 

 

会社の既婚男性

男性ネタで、もう一人。
それから一年以上たった頃、会社の人といい雰囲気になりそうになったことがあったのです。でもその人、結婚していたんですね。既婚男性は嫌だなーと思うのに、でも誘われると断れない自分がいて。

で、当時コンパみたいなので知り合った大手メーカー勤務の男性から、正式にお付き合いの話があったので、会社の既婚男性からのお誘いを断る理由になると思って、この彼とお付き合いしました。わたしより一つ年上の彼。
正直、自分の男性に対する判断基準が、、、もうね、わからなくなっていたんです！！！だからね、今までの自分なら絶対に選ばない人で、お金を貸してと言わなさそうな人、という理由で採用！
６年弱のお付き合いでした。

この彼については、本当に申し訳ないと思っていて、わたしが好きだったというより、相手が好いてくれていたら、いつかわたしも好きになれるかなという程度の人でした。かわいそう・・
ちなみに、この大手メーカー勤務の彼は慶応卒で、彼のお父さんは国内トップの顔料メーカーのニューヨーク支社長でした。どうでもいいね。笑

 

 

 

布団の営業マン

その後、２３か２４歳のとき、一人暮らしの自宅に訪問販売で布団の営業の人がやってきました。
いつもは玄関を開けないのに、なぜ一人暮らしの自分の家の玄関に知らない人を入れたのかは、記憶にないけど、、、とにかく布団でした！

良い睡眠が美容や健康には大切だとか、今の美しさを保つにはどうとか〜って話だったと思います。
本気で、そうなんだーって感心するわたし。
なんかね、とにかく褒められたんです！！何を褒められたかよく覚えていませんが、とにかく褒められて、とっても気分が良くなっていました！

「今ならキャンペーンで特別にこの価格です！さらに今の布団を下取りさせてもらったら、さらにお安くなります！でもこの価格はもう他にできないから誰にも言わないでくださいね」
と言って、提示された価格は５０数万円！
特別価格での提供で、下取りした布団は返せないからご了承下さい、とか言っていた。
ローン決済の手続きをして、布団の営業マンが帰った後、母に電話したら、、、怒られました！そりゃぁそうですよね。
「何言ってるの！そんな高い布団、おかしいでしょ！おばあちゃんちにある布団を送るから、それ、クーリングオフしなさい！」って。
で、翌朝、電話でクーリングオフの手続きをして無事解決！

・・・が！！
下取りした布団は帰ってこないと言われ、、、季節は１２月。フローリングの床の上で、残った毛布一枚にくるまってミノムシみたいに丸くなって過ごしました。さむかったー！笑
ミノムシは、祖母の布団が届く１週間くらいの話ね。ずっとじゃないですよ！

訪問販売が怖くなって、二度と玄関を開けることはなくなりました。

 

 

 

何かが繰り返されている

最初に登場するお金を貸した二人の男性と、いい雰囲気になりかけた会社の既婚男性はどちらも３０代。二十歳そこそこのわたしからすればずいぶんと大人に見えました。可愛がってもらったし、甘やかせてもらいました。たくさん褒めてもらった記憶があります。

そしてね、布団の営業マンも同じく３０代。大人でした。なんとなくおだててもらったし、気分良く持ち上げてくれたような記憶が・・

オンライン教材９６万円、お金を貸して消えた二人の彼氏、会社の既婚男性、高額の布団の営業。
全てが２０代前半の頃の話しで、ここでわたしはやっと気づきました。なにかが連鎖してるって！自分が引き寄せてる気がするって。

 

 

父のこと

ところで、、、
わたしの父はとってもワガママで、怒るといきなり火がついたみたいに大声で怒鳴りまくる人でした。怒鳴ると壁が震えるほどの大声で。ひどい時はものが飛ぶし、食器が飛んだことも、ビール瓶が飛んだことも、ガラスが飛び散ることもありました。わたし達子どもに手をあげることもありました。もうね、大っ嫌いでした！！

家を出て一人暮らしをして数年経っても、大きな物音や怒鳴り声を聞くと父を思い出すんですね。思い出すというより、フラッシュバックするんです。これは恐怖でした。
わたしが４歳のころ、父が経営する会社が倒産し、多額の借金を背負い、持ち家を売りました。持ち家を売ってもまだ返済が残っていたので、父はサラリーマンをしながら、それでも４年くらいかけて返したと思います。

そんな父がいつも口にしていたことは「お金がない」でした。「うちはお金がないから。」「お金がないから我慢せんといかん。」っていつも口にしていました。すぐ怒るし、超ワガママだし、わたしたち子どもの話しは一切興味のない父の口癖は「お金がない」だったんです。

 

 

客観視してみる

オンライン教材９６万円、お金を貸して消えた二人の彼氏、会社の既婚男性、高額の布団の営業マン。
一連の事件（ということに）から抜けたいと思った時、何が連鎖しているんだろうと、自分を客観視してみました。
キーワードは、「男」と「お金」、そして布団！（布団はどっちでもいいか、笑）
登場人物はすべて、年の離れた大人の男性です。

結論はね、
わたしは父に褒めてもらいたかった、可愛がってもらいたかった、大事にされたかった。そのためには「お金が必要だ」と思っていたんです。
もちろん意識としては、お金はただの手段だと頭で理解しているんですよ！でも、いつも「お金がない」という父に褒めてもらうためには、「お金が必要だ」と無意識レベルで思っていた！

そう思うとね、全てがつながるんです、
だって、、、オンライン教材９６万円、お金を貸して消えた二人の彼氏、会社の既婚男性、高額の布団の営業マン・・・お金を稼ぎたかったし、お金を貯めたいと思っていた。お金があれば役に立てると思っていた。褒められると思っていた。褒められると自分が認められた気持ちになっていた。さらに年の離れた大人の男性には父を重ね合わせてるんですね。

大っ嫌いな父に、わたし、褒めてもらいたかったんです。

 

点と点だったものが繋がるまでに、わたし、数年かかっています。
父のことを思い出すこともすごく嫌だったし、大嫌いな父に愛されたかった自分がいたことを認めたくなくて、激しい衝撃が走りました！！
でもおかげで？２０代前半でなんとなく見えてきたので、それ以降は、男性にお金を貸したことはありません。笑

 

 

わたしがしたこと

もう、繰り返したくないー！！って思った時に、わたしがしたことは・・・
イメージの中で、辛かった過去の自分に戻って、「辛かったね、わたし」と言って慰めてあげただけ。
大声で怒鳴ったり物を投げる父に萎縮していた「かわいそうな、わたし」も、ひどい言葉をかけられて誰もいない部屋で声を押し殺して泣いていた「苦しかった、わたし」も、何かあったら妹を守らなくちゃと神経張り詰めていた「頑張っていた、わたし」も、どの「わたし」も「本当は大事にされたかったんだよね、可愛がられてたかったし、褒めてもらいたかったんだよね」って言って、イメージの中で抱きしめてあげただけ。

大っ嫌いな父のことを考えたくもないと本気で思っていましたよ！！思い出すことすら恐怖だったり。でも、ここに向き合わないと繰り返す気がして、わたしはわたしのために、子供の頃の「かわいそうな、わたし」を受け入れることをしました。

 

 

本当の意味で自分を知ることの意味

あれからもう何年も経ちました。

でもね、、、今でも時々、過去の「かわいそうな、わたし」が、マインドブロックとなって現れます！笑
つまり、似た事象まではいかなくても、似た感情がやってくることがあります。心がざわざわする感覚です。その時はその感情を言葉にして（アウトプット）、客観視してみます。夫にもよく言葉で伝えます。そしたら、あ、これブロックじゃんって気が付きます。最初はなかなか気がつかなかったけどね。

父は２年前に亡くなりましたが、今でもこうしてわたしの中に現れます。笑

 

経験値の大きさも大切かもしれませんが、それ以上に、そこから何を受け取るのか？がもっと大切だなぁと感じています。自分を見つめ直し、本当の意味で自分を知ることで、目の前の人の内側にあるものや、発する言葉の奥にあるものが見えてきます。本当の意味で自分を知ることが、本当の自分の人生のスタートラインかもしれないなって。

違う父親の元に生まれたかったと、ずっとずっとずーーーっと思い続けてきたけど、自分の身に起きたのは、必要な方へそれを伝えるためだったのかなって今なら思えます。大っ嫌いな父のことを想いながら、ふと心の中で「お父さん、ありがとう」って言ってみるんです。そしたらなぜか涙が溢れます。大っ嫌いなのに。

 

自分はなぜ、似た事象を起こすのかな。嫌な人ばかり現れるのかな。自分はなぜ、コンプレックスがあるのかな、って感じたら、ちょっと自分の人生を俯瞰してみてみるといいのかも。わたしはその道の専門家ではありませんし、専門家がいることも知りませんでした。

この歳になると、うすうす感じますよね。今の自分は、子どもの頃の嫌な出来事が尾を引いてるかもって！

それ、しっかり見つめて、過去の自分を慰めてあげて欲しい。辛くて苦しくて思い出したくない過去かもしれないけど、本当の意味であなたがあなたの人生を歩むために、これからのあなたの人生を大切にするために、過去の〈辛かった、わたし〉のひとつひとつの記憶すべてを抱きしめてあげて欲しいなって。あなたの過去を癒してあげられるのは、あなただけだから。

あなたの未来がより明るく輝くことを心から強く強く祈っています。

 

2018年7月5日
溝端マリ